Kids・Return (小倉隆史 引退)
ラボーナの様に左足を使い、ヴェルディの右サイド石川康を抜いた時、
今後10年、この選手が日本代表の大黒柱になるだろうと思った。
今後10年、城彰二と二入で代表FWは安泰だと思った。
今後10年、・・・・
そんな幻想を抱かせてくれた小倉隆史が引退を表明した。
思い出したくも無い灼熱のマレーシア。
数人のドクター・コーチに囲まれながら、横たわる小倉隆史が拳でピッチを叩く。
通常とは真逆の方向に90度曲がった膝。
遠くから凝視する西野明。
あの瞬間さえなければ・・・・
「たら」「れば」で語ることは、本当に無意味・無価値・無意義なのだけど、
小倉隆史は、「たら」「れば」で語ることが許される稀有な存在だと思う。
小倉隆史を失ったアトランタ五輪代表は、マイアミで奇跡と称される偉業を成し遂げた。
その時のメンバーからは、中田英寿が、川口能活が、田中誠が、
ドイツの地を踏むことになるのは確実だろう。
彼らが再度奇跡を起こすことで、
小倉隆史の無念さのいかばかりかは、霧散するのではないかと思う。
昨年5月に、アトランタ五輪代表キャプテンの前園真聖が引退している。
ろくでもないマネジメントマネジメント会社(目玉焼き)のせいで大成が阻害された前園真聖と、
怪我により、その能力の大部分を削がれた小倉隆史。
傑出した能力を持った二選手が、必ずしも成功とは言えない選手生活を過ごしたことは、
日本蹴球界にとっては大きなマイナスなのだが、
彼らの後に続く若い選手達には、大きな示唆を与えているハズ。
小倉隆史の引退を聞き、ある映画を思い出した。
二人の青年の青春時代を描いた邦画のラストシーン。
一人は夢破れ、一人は道を踏み外し、人生に挫折する。
薄暗くなった中、昔通った学校の校庭を自転車に二人乗りして周回し続ける。
一人が呟く 「俺達って、もう終わってしまったのかなぁ・・・??」
一人が応える 「終わった? まだ何も始まっちゃいねぇよ・・・」
小倉隆史の第二の人生に幸多からんことを。。
〆
← 小倉隆史の話は、「たら」「れば」の世界になってしまいます・・・・・・(つ0T);